貧血とは?
貧血とは、血液中にあり酸素を運ぶ役割を持つ赤血球が不足する状態をいいます。
血液の重要な役割は、肺で取り入れた酸素を筋肉や器官など全身に供給する事です。
この役割を担うのが血液中の赤血球の中に含まれるヘモグロビンです。
このヘモグロビンが肺の中で酸素分圧が高い時には赤血球に酸素を取り込み、筋肉や器官などの酸素分圧が低い所では酸素を赤血球から放出する役割を担います。
その為に、血液が酸素を運ぶ能力はヘモグロビンの量そのものになります。
以下に書いたような理由で貧血になると、血液中のヘモグロビン量が減少し、酸素を利用する事によって栄養素をエネルギーとして生命を維持している生物にとっては大変大きな問題であり命の危険性も出てきます。
貧血の原因
貧血の原因には幾つかの要因があります。
体に疾患があり赤血球やヘモグロビンを作る事ができない状態になっている場合には貧血になる事があります。
赤血球やヘモグロビンを作る事出来ていても大量に体外へと流れ出てしまう場合にも起こります。
体の中で作られた赤血球やヘモグロビンが何らかの理由で破壊される様になった場合も該当します。
また、多量の点滴などで血液が極端に薄まってしまう場合にも貧血になる事があります。
貧血にオススメの成分・食事
貧血になった場合や貧血を予防する為に、食事で気をつけなければならない事について述べます。
基本的な事ですが食事は朝食昼食夕食をきちんととりましょう。
また、インスタント食品ばかり摂取するなど栄養が偏った食事をしないようにしましょう。
これを行なわないと他の事を行っても効果が上がりません。
また、食事の際には、毎食栄養のバランスを考えながら主食、主菜、副菜を組み合わせる事を心がけましょう。
主食としてはエネルギーとなる炭水化物を食べましょう。
主菜は、魚介や肉や卵や大豆製品などの良質のたんぱく質を多く含むものをとる事が大切です。
副菜として野菜類や海そうなどを摂取しビタミンやミネラルを体内に取り込むようにします。その他として、牛乳や果物などからその他の栄養をとる事も忘れないようにしましょう。
良質のたんぱく質
良質のたんぱく質をとる事が大切です。
魚介や肉類や卵、大豆製品や乳製品などは良質のたんぱく質を含む食品です。
赤血球やヘモグロビンを作る際の材料になります。
ただし、一度に多量に摂取しても体内に蓄積できませんので、毎食とるようにする事が大切です。
鉄分
鉄分を積極的にとりましょう。
鉄分はヘモグロビンの中にあり酸素の吸着脱着に大切な役割を持ちますので、積極的に摂取する必要があります。
気をつけないといけないのは、食べ物の中の鉄分は体内に吸収されやすいものとそうでないものがある事です。
ヘム鉄と呼ばれる肉類や魚介類に含まれる鉄分は吸収されやすく、乳製品や青菜に含まれる非ヘム鉄と呼ばれるものは吸収されにくいとされています。
また、動物性のたんぱく質やビタミンCを一緒にとる事で吸収率が良くなるといわれています。
鉄分不足で起こる病気・症状とその特徴
めまいは、血液の赤血球の中にあるヘモグロビンが減少することにより、全身が酸素不足となり症状が現れます。
頭がグラグラしたり、自分がグルグル回ったりすると考えて間違いありません。
ヘモグロビンは酸素とくっつき、全身へ酸素を送り届ける役割がありますが、鉄が不足することにより、ヘモグロビンの合成がうまくいかなくなります。
赤血球中のヘモグロビンが減り、赤血球そのものも小さくなり、ヘモグロビンが作られなくなる特徴があります。
鉄分不足の症状:動悸
動悸については、酸素不足となり少しでも酸素を運ぶため心臓や肺が懸命に働き心拍数が増え、動悸の症状が現れます。
駅の階段を上がる等の軽い動作でも症状が出ることがあります。
鉄分不足の症状:立ちくらみ
立ちくらみは、立ち上がった時にフラフラしたり気が遠くなったりします。
全身に酸素を運ぶ機能が低下することにより、酸素が脳へ行き届かなくなり、症状が現れます。
鉄分不足の症状:免疫力低下
免疫力低下については、免疫を担う細胞は、血液から酸素や栄養を受け取っています。
ヘモグロビンは供給元となりますが、ヘモグロビンが少なくなれば、免疫細胞はエネルギー不足となり、活性が低下します。
免疫を担う細胞は体内に入ってくる病原体を見つけて排除する働きがあり、十分な血流が得ることができなければ免疫の働きも行き届かなくなり、不調を引き起こす遠因となります。
風邪を引きやすくなることがあります。
鉄分不足の症状:生理不順
生理不順は、通常25日から38日間隔の周期で生理が始まりますが、生理不順になると周期が乱れます。
毎月の生理で鉄分が失われることが多く、貧血になることも多いです。
経血の中にレバーのような血のかたまりが多い場合は、経血量が多いと考えて間違いありません。
鉄欠乏性貧血を伴う場合もあるため、注意する必要があります。
鉄分不足の症状:排卵障害
排卵障害については、鉄分が不足すると卵胞ホルモンや黄体ホルモン等の女性ホルモンの合成が滞りがちです。
鉄分は卵細胞の成長に必要なため、不足すると影響を与えることもあります。
ヘモグロビンによる酸素の運搬もできなくなるため酸素不足となり、分泌も滞るため子宮内膜が成熟しない可能性もあります。
鉄分不足の症状:記憶障害
記憶障害は鉄分が不足すると貧血をおきますが、ビタミンB12も欠乏すると、記憶障害や手足のしびれ感、筋力低下や排尿障害等の症状が現れます。
舌が赤くなってひりひり痛んだり、手足の浮腫や腹痛の症状も現れると考えて間違いありません。
ビタミンB12は胃液中の内因子と結合し、B12内因子複合体が造られ吸収されますが、内因子に対する抗体が認められ抗体が内因子の働きを妨げます。
B12内因子複合体を造ることができなくなり、腸での吸収が出来なくなります。
高齢者に多く、貧血の他に神経症状が現れるのも特徴です。
鉄分不足の症状:うつ病
うつ病は、鉄分が不足すると症状が現れる場合があります。
鉄は脳内の神経伝達物質と深く関わっていると考えられています。
やる気を促すときにはノルアドレナリン、心を安定させるときにはセロトニン、多幸感や快楽を得るときにはドーパミン等の神経伝達物質が脳内に分泌されます。
鉄は、神経伝達物質を作る際必要な酵素を助ける働きをしています。
鉄が不足すると、ノルアドレナリンやセロトニン、ドーパミンが必要なときに作られなくなり、うつ症状を引き起こしやすくなることがあります。
寝ても疲れが取れい症状ややる気がおきない、手足が冷たい、氷を頻繁に食べたくなる等の症状が現れます。
ヘモグロビンの数値は正常で貧血と診断されない方で、鉄不足のためうつの症状が現れるのです。
参考:
鉄分が不足すると ダイエットに鉄分は必要!!おすすめ鉄サプリメント比較
貧血の原因・改善方法
ビタミンC
ビタミンCも重要です。
先程も出てきたビタミンCは、食品中の鉄を体で利用する為に必須のものですので、多く摂取する必要があります。
新鮮な野菜や果物などのビタミンCを多く含む食品を他の食品とあわせて摂取する事により、非ヘム鉄の吸収も高める事が可能になります。
ビタミンB12
ビタミンB12も必須です。
正常な赤血球を作り出すためにはビタミンB12が必要です。
牛や豚のレバー、魚介や貝類、卵黄やチーズなどに多く含まれているので積極的に摂取する事が大切です。
葉酸
葉酸も必要です。
ビタミンB12とともに正常な赤血球を作り出すために必要な栄養素です。
先程も述べた牛や豚のレバー、大豆や加工品の納豆、緑黄色野菜のほうれん草やブロッコリーに多く含まれています。